交通事故によりケガ・傷害を負った場合、保険会社より慰謝料が支払われます。

具体的な慰謝料額について、いまの保険実務・裁判実務においては、ケガ・傷害の内容によって細かく分類されているのではなく、①ケガ・傷害に他覚的所見が認められるか、②入院や通院の期間や日数、頻度はどの程度であったか、の２つの観点から慰謝料額を判断しています。

①の「他覚的所見」とは、骨折などの画像所見が認められるなど、客観的な検査データによってケガ・傷害を判断できる所見を言います。頸椎捻挫やムチ打ち症、打撲などのケガ・傷害は、画像所見が認められないため、他覚的所見の認められないケガ・傷害と判断されるのが通常です。

骨折など他覚的所見が認められるケガ・傷害のほうが重い症状と判断され、より高額な慰謝料が賠償されます。

②の「入院や通院の期間や日数、頻度」は、入院・通院の期間が長期間であったり、日数や通院頻度が多いほうが高額の慰謝料が認められることを意味します。特に、頸椎捻挫・ムチ打ち症、打撲のケガ・傷害の場合、通院期間や日数・頻度は、後遺障害の有無を判断するうえでも重要な事情となり得るため、意識的に通院することも重要です。

実際に賠償される慰謝料額は、法的な判断も関わりますので、弁護士への相談をお勧めします。