【相続・遺言コラム】遺言のすすめ⑤
2024-07-31
カテゴリ:相続・遺言
不動産を円滑に相続させましょう!
「どのような方に遺言が必要ですか?」
と質問を受けることがあります。 例えば、すべての遺産を長男に相続させたいなど、遺産の取得させる割合を変更したい場合に、遺言を作成する必要があると言えます。
もう一つ、不動産をお持ちの方は、遺言を作成する必要があることが多いので、今回はその点を説明します。
新潟県では、代々、引き継がれている家があったり、2世帯住宅にして父母の家と長男夫婦の家が隣接しているケースが多くみられます。そのようなケースでは、家を継ぐべき人が、家族内では暗黙の了解のうちに決まっていること多いです。
しかしながら、遺言がないと、すべての遺産についての協議が整わない限り、家の登記名義を変更することができません。協議が円滑に進まないと、家の登記名義の変更ができなくなってしまいます。
自宅用不動産ではなく賃貸物件の場合も同様に、遺言がないと不都合が生じてしまいます。
賃貸物件では、借主から賃料が支払われますが、遺言がない場合、死後に発生する賃料は、相続人が法定相続分に従って取得するものとされています。そのため、支払われる賃料を、経費を精算したうえで各相続人に分配しなければならず、非常に煩雑になります。
また、病気や障害のため収入が少ない相続人の一人に賃料収入を確保してあげたいと考える場合もあります。そのようば場合も、すべての遺産について協議が整わない限り、一人に賃料収入を確保させることはできません。その方が賃貸物件を確実に相続できるとは限りません。
このような不都合を回避するために遺言は絶大な効果があります。
遺言があれば、すべての遺産について遺産分割の協議が整わなくても、取得させたい人に安定して、円滑に不動産を取得させることができます。
遺言は、すべての遺産について記載しなければならないとのイメージを持っておられる方もいらっしゃいますが、不動産だけの遺言を作成することも認められています。他の遺産についてお気持ちが整理できていないくても、とりあえず、取得させたい人が決まっている不動産だけの遺言を作成することを先行させることができます。
不動産をお持ちの方は、遺言を作成することのメリットが大きいので、ぜひ遺言の作成を進めましょう。